長崎中材業務研究会

『 中材業務における質の向上と日常での不安や疑問点の解決の場所を提供する 』をもとに、セミナーを通じて皆さんと学び、意見・情報交換を行いたいと思っています。

第22回セミナーアンケート集計結果


長崎県南中材業務研究会第22セミナーアンケート集計結果


参加者103名  アンケート回収 87
 
 


  1. 施設のベッド数
     
    入院ベッド無し 0名      
    19床以下    2
    2099床    12
    100199床  19
    200床以上   52
    無回答      2名
    合計     87名


-1).あなたの施設にて各部署で使用された器材の処理方法は? 
 
 
      各部署で用手洗浄→中材返却  22

   各部署で機械洗浄→中材返却  3名 

   各部署で機械洗浄→滅菌    4名

   完全中央化          52名 

   その他            5名

   無回答            1

   合計             87名 

-).中材での器材の処理方法は?

消毒→洗浄(乾燥)→滅菌     3名

   洗浄→消毒(乾燥)→滅菌     55

   洗浄(乾燥)→滅菌        24

   その他              0

   無回答              5

   合計                87名  
  
-3).中材で使用される消毒剤は?(複数回答有り)

   ステリハイド   7名

   ディスオーパ   12

   次亜塩素酸Na   41名

   熱湯       16

   使用していない  3

   トップザイム   1

   バイトテクト   3

   ミルトン     1

-4).中材での洗浄方法は?(複数回答有り)

  用手                55

  ウォッシャーディスインフェクター  60

  超音波洗浄機            49

  浸漬恒温槽             26

  ジェットガン            18名

-5).洗浄時の暴露防止アイテムは?(複数回答有り)

    キャップ    61

    ゴーグル    51

    マスク     72

    袖ありエプロン 42

    袖なしエプロン 44

    手袋      62

    シューズカバー 2


-6).今後改善したいこと・質問は?

<改善したいこと>

①樹脂製の滅菌コンテナを使用しているため、ひび割れの確認をまず行いたい。・・・3名回答

WD前の作業時の暴露防止ができていなかった。徹底するためゴーグル・袖ありエプロンの着用に取り組みたい。・・・5名回答

③内腔器材洗浄ブラシを探し、器材にあったものを採用したい。・・・4名回答

⇒名優の内腔器材用洗浄ブラシが、径1mmの細さからラインナップしてあります。HONKIDEブラシ « 株式会社名優をクリックしてもらえば、ハイパーリンクで検索できます。メーカーさんも連絡頂ければサンプル等届けられるとのことでした。

④自部署の問題点を見つけられた

⑤新人対象という内容であるに関わらず、新人には少し難しい内容だった。

⑥再確認できました

⑦滅菌バックの色が変色していることで滅菌できていると安心しているが、器材の洗浄がきちんとなされていない場合(手洗浄のため)や、滅菌方法が間違っている場合があるかもしれないと思った。

<質 問>
LTSFの1回分のコストをEOGと比較して欲しい。
⇒コスト比較は、あくまでウドノ医機社算出です。LTSFは、EOG滅菌装置(カートリッジ式)と比べて1回のランニングコストは安いようです。具体的な金額はここでは控えさせてください。

②予防着の袖なしエプロンはガイドライン的にOKか?
エプロン関連のCDCガイドラインのポイントとしては、「エプロンは防水性かつ使い捨てである」ということですよね。白衣が汚染される状況ではディスポエプロンを着用し、使い回さず廃棄する、一処置毎に替えるのが標準です。袖付きを使用する場合は、腕のほうまで汚染が考えられる事があるときやCDノロMDRP疥癬患者ケア時は袖付きにするがそれ以外は袖なしで対応しているという施設もありました。袖あり・無しではコストが絡みますので、そのあたりは各施設で検討し、できる限り、より良い方法にしていくことが、感染防御につながると考えます。

③チューブ類の使用期限が切れたものの再滅菌は何回までされていますか?
⇒基本チューブ関係の物は、ディスポーザブルであると思われるため、リユースは厳禁であると思います。使用していないものであっても、再滅菌することに関しては推奨できません。(医療器具メーカーは、間違いなく100%そう答えると思います。)ただ、個人病院などではコストの面で再滅菌という選択をしているところも多々あるかと思います。その場合はあくまでその施設内で何回まで再滅菌するのかルールを決める。もちろんカフなどあるならば、そのチェックも怠らないようにしてです・・・これはあくまでそうしなければならない場合のみです。何度も言います。基本チューブ関係はディスポーザブルです。再滅菌するということは、そのもの自体をさらに過酷な状況で滅菌にさらすということです。万が一それを使用することはその施設の責任を問われることになります。品質保証など何かあってからではどうもできないと思います。当研究会としては、チューブ関係の再滅菌はお勧めいたしません。それより使用期限が切れたなら、その物自体の採用を見直すもしくは仕入れの数量を減少させる、その他のことでの使用(鋭利な刃物などの先端保護など)にお使いいただければどうでしょう。さらに、チューブ関係の物は放射線滅菌されたものも少なくありません。その場合EOGでの再滅菌はできません。注意されてください。

④浸漬洗浄の場合は、漬けおきでも良いのですか?
⇒浸漬洗浄を手術終了後の器材なのか、病棟での使用された鋼製小物なのか、その他何の洗浄に用いているのかがわかりません。ただ基本は浸漬であっても、汚染がひどい場合は、ブラッシングする。内腔器材であれば、それにあったブラシを選択し使用する方が良いと思います。その後機械洗浄をかけるのか、また用手洗浄で終わるのかでも洗浄状況は変わってくるでしょう。洗浄後の器材の状況を目視にて確認する、アミドブラックでの確認をする、洗浄評価のインジケーターを使用するなど、いずれにしても洗浄後の洗浄評価をきっちりしていただければと思います。できれば、洗浄評価表みたいな記録媒体で残していければより良いと思います。また、洗浄剤も浸漬洗浄であれば、中性酵素系洗剤がよいと思います。浸漬洗浄の方法としては、対流式の恒温槽で中性酵素系洗浄剤を使用するのが効果的です。詳しくは各メーカーにお聞き下さればと思います。

⑤時間外での運用に悩んでいます。コンテナ・ケースに入れ、噴霧をするのか、浸漬するのか。共にメリット・デメリットあり、自施設に合った方法を選ぼうと思うのですが・・・?
⇒時間外での運用がよくわかりません。噴霧というのは蛋白凝固防止スプレーの噴霧ということでしょうか。それであれば、基本某メーカーのスプレーは48時間においての噴霧だけでの臨床試験でも固まらないようであります。(他メーカーのスプレーもほぼ同じ条件であると思いますが・・・)そのため、噴霧だけであっても1回プッシュ量をまんべんなくして頂ければ時間外であってもよろしいのかと思います。コストもそれほどではありません。浸漬するのであれば、時間外での運用はどうなのでしょうか?誰かその専門のスタッフは常時いるのでしょうか?浸漬洗浄なら洗剤の量・温度・時間が重要になります。そのモニタリングも満たすことが必要になると思います。長時間洗剤液に浸漬することによる器械への影響や、金属以外の器械では洗剤の残留への影響も考えられるところです。夜間の緊急手術などの時間外であれば、出血などでの汚染状況が気になるところです。そのあたりの状況がもっと克明にわかればより正確に回答できるとは思いますが・・・?噴霧でも今の血液蛋白凝固防止スプレーでも十分な性能があります。その運用自体をメーカーに投げかけていただいてもいいかもしれません。

 3.研究会に関する意見、セミナーについての要望は?

・初心者のためもっと講習会を開催して欲しい。

・現場で実際に行う洗浄、細かい部分の洗浄方法、ラッピング・滅菌パックの方法を学びたい

・滅菌保証について知 りたい。

・また受講したいと思いました。

・知識の再認識・新しい知識の習得になります。

・講義の内容が多すぎる。もっと絞って。わかりにくかった。

・講義時間は予定どおり終了して欲しい。

  役員不足でセミナー回数が年3回になったこともありますが、参加者が少なくなってきたことも否めず毎回案内をいかに広めるか悩んできました。今回このような沢山のご意見を頂きうれしく思い、またさらに考えていかなければとも思いました。今回は洗浄から滅菌の総論的な研修でしたが、各論はもっと詳しい内容になります。学ぶところがたくさんあることに気が付いていただけたらこれからまた一緒に勉強していきましょう。大きなセミナーでなく、少人数の勉強会の開催も考えたいと思いますし、日頃の疑問を事務局あてに頂いてもお返事できるように調整したいと思います。
ほぼ全県に洗浄・滅菌を学ぶ会がありネットワークも構築されようとしています。超専門的な分野であり基礎知識の習得と新情報をお伝えし、医療器械の進歩に対応できる学習の場を企画していきたいと思います。貴重なご意見ありがとうございました
長崎県南中材業務研究会会長   藤原