第35回セミナ 洗浄評価結果
第35回セミナーにて、各ご施設で使用されている器械を持参頂き、実際にクーマシー法を用いて洗浄判定しました。ご協力頂き誠に有難うございました。結果を掲示しますのでご参考下さい。
(今回評価した器械)
検体番号(器械名) ・ 残留蛋白質量
2000(スタンチェ) ・ 46㎍
2010‐2(吸引嘴管) ・ 56㎍
2010‐3(吸引管) ・ 68㎍
2010‐4(髄核鉗子) ・ 51㎍
2010‐6(クーパー) ・ 22㎍
2010‐7(ダイヤモンド持針器) ・ 27㎍
2010‐8(眼科クーパー) ・ 検出限界以下(20㎍以下)
2010‐9(ペアン) ・ 27㎍
2020(リウエル) ・ 132㎍
2030(リウエル) ・ 134㎍
2040(ドベーキー) ・ 29㎍
2050(ペアン) ・ 23㎍
『メーカーより』
残留蛋白質量はすべての器材で許容値の200㎍以下の数値となりました。
多くの器材は目標値の100㎍以下となりました。
器材の形状が複雑な場合、残留蛋白質量が多くなる傾向がみられました。
『研究会所感』
洗浄評価判定ガイドラインでは許容値200㎍、目標値100㎍となっています。今回判定した器械は全て許容値以下の数値でしたが、2点の器械(リウエル)が目標値を超える結果となりました。目標値を下回るよう洗浄方法を見直すきっかけとなれば幸いです。
今回の結果から、鉗子や吸引管など、形状が複雑な器械が残留蛋白質量が多くなる傾向にあることが見えてきました。
連結部に残った組織片
上記のリウエルは今回のセミナーとは関係ありませんが、私の勤務病院で実際にあった洗浄不良例です。アミドブラック染色した後に気付いたため濃紺色となっています。特にリウエルは凹凸や連結部が多く閉じているため、組織片が残存しやすい構造の器械です。洗浄時は特に注意が必要です。
注意点
- 今回の洗浄評価は器材単品の評価となります。ご施設での実際の洗浄評価では、WD等洗浄機の規模や洗浄する器械・器材に応じて必要な検体数や評価方法は異なります。詳しくは、今回ご講演頂きました乾商事株式会社様にご相談ください。
文責:森野