長崎中材業務研究会

『 中材業務における質の向上と日常での不安や疑問点の解決の場所を提供する 』をもとに、セミナーを通じて皆さんと学び、意見・情報交換を行いたいと思っています。

第25回長崎中材業務研究会セミナーを開催しました。

第25回長崎中材業務研究会セミナーの開催

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 716日(土)に第25回長崎中材業務研究会セミナー開催しました。
講演1では、滅菌バッグの構造、シーリング、包装時の注意、滅菌物の適切な積載・設置、オートクレーブ滅菌時における滅菌バッグの濡れ・破袋・シミ、保管方法と有効期限についてのお話でした。滅菌バッグは、カスト缶などに比べて滅菌の効率も良く、滅菌後の保存性も高いうえ軽量でかさばらず、使用時の開封も不潔になりにくいという利点が多い。滅菌バッグは構造的にも通気性・遮菌性に優れていて、フィルム面と滅菌紙面で出来ており滅菌紙面より滅菌剤が注入されるが遮菌性も保たなければならないので、滅菌紙の素材はとても重要である。滅菌紙の断面は繊維の微細な絡み合いによって長い迷路のような孔になっており、通気性と遮菌性を確保する構造で作られている。滅菌バッグは包装形態に応じて有効期限を設定して管理を行う。有効期限の考え方として、滅菌物が汚染される可能性のある事(Event)が存在すれば保管する時間に関係なく無菌性は破綻する。Events(事象)とは、滅菌器から取り出した直後から、包装材にあらゆるダメージや滅菌物による出来事全てが対象となるので、湿気・破損(穴開け、落下)汚れやほこり全てが含まれており、どれかが発生した時点で無菌性が破綻したものと考えるので、払い出し部署での保管なども考慮し時間管理も併せて設定し管理する必要がある。
演題2では、包装形態の蒸気浸透性について話されました。菌は滅菌剤にさらされて初めて死滅するので、滅菌に重要な蒸気の浸透が難しい器材や不適切な包装形態になっていないか注意する必要がある。滅菌剤の浸透を確認する意味からも包装内部の滅菌のモニタリングは重要である。そこで、演題3での講演であったインジケータが重要になってくる。滅菌器が正常に動いているかを確認できるPI、菌の死滅を直接測定可能であるが判定に時間を要するBI、滅菌終了後すぐに判定が可能だが菌の死滅を判定する訳ではないCI、それぞれに長所・短所があるがそれを補い合って滅菌保証を目指す。あえて負荷をかけ蒸気浸透を確認できるPCDがある。どのインジケータも利用目的は同じであり、滅菌保証するためのツールとなる。これらのインジケータを複合的に利用することで高い信頼性・品質の器材払い出しができる。

今回の講演は資料もカラーで見やすく、とても分かりやすい内容でした。私たちの目に見えない滅菌状態を維持するためにも良質な包装材を選び、自施設での評価をもとに安心して滅菌供給業務ができるように皆様と共に知識を高めていきたいと思います。


※講演後、グループワークを行いました。それぞれのグループで情報交換や疑問に思っていることなど意見が活発に出ていました。他施設のスタッフと話すきっかけとなり、とても有意義な時間となりました。

報告者:役員 西山

連休初日のセミナーにもかかわらず参加いただいた方に感謝いたします。
今回、久しぶりにグループワークを取り入れてみましたが、やはり、有意義だったと思ったのは、役員だけでなく、参加された方々も、同様に感じられたのではないかと思っています。話しているうちに日頃の問題点が思い起こされ、一言も発しなくても共感するところがあったのではないでしょうか。現状をよりよくしたいという思いは皆さんに共通するところだと思います。
洗浄や滅菌という専門知識を要する職場の話ができる仲間が集う場所として、本研究会を大いに利用していただき、納得のいく仕事ができるように共に学んでいきましょう。意外と、同じような悩みを抱えているものですよね。
 
半数の方がチラシでセミナー開催をお知りになっておられるので、いかに広くチラシ配布をするかが事務局としての課題と思われます。現在は医療器の業者さんに配布していただいており、概ね対象が限られている傾向があります。ホームページの周知や書簡によるおしらせ等も併せて、お知らせ拡大に努めたいと思います。
次回1126日のセミナー参加もお待ちしております。

長崎中材業務研究会 代表 藤原文子

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