長崎中材業務研究会

『 中材業務における質の向上と日常での不安や疑問点の解決の場所を提供する 』をもとに、セミナーを通じて皆さんと学び、意見・情報交換を行いたいと思っています。

第27回長崎中材業務研究会セミナーを開催しました。

第27回長崎中材業務研究会セミナーを開催しました。

イメージ 1


 5月20日(土)に第27回長崎中材業務研究会を開催しました。今回はウドノ医機の栗原 靖弘先生の「洗浄・滅菌の基礎と高圧蒸気・EOG・LTFSを中心とした滅菌装置の構造と管理」についての講義でした。
 中材の主な業務は洗浄・滅菌である。その基礎を今回の勉強会では歴史や定義も含め、詳しく学ぶことができました。医学の進歩は目覚しいものであるが、わずか150年前までは滅菌されていない器械を使用し予防具なしに素手で手術が行われていたという事実が驚きでした。現在では、医療器具・目的別にクリティカル、セミクリティカル、ノンクリティカルと位置づけられるスポルディング分類がある。これに応じて適切な消毒・滅菌方法が行われている。また、無菌性保水準、SAL10⁻⁶という厳しい数位(100万本滅菌した場合、その中の1本だけに滅菌ミスが許されるというレベル)があるため、私たちは安心して滅菌された器械を清潔野にて使用できるのだと感じました。現在の滅菌方法には高圧蒸気、EOG、LTSF、プラズマ滅菌があるが、いずれも湿度が大事な役割をはたしていることが分かりました。即効性や浸透性、毒性の有無など総合的に判断し、理想的な滅菌方法は高圧蒸気滅菌であり、低温滅菌はあくまでも高圧蒸気滅菌の補助的滅菌法であることを再認識しました。

報告者:役員 田中

第27回長崎中材業務研究会セミナーの案内

facebookでシェア twitterでつぶやく

0
第27回セミナーのご案内です。

 今回は医療機器の洗浄・滅菌に関する基礎講座です。皆様の参加お待ちしております。
  ※このセミナーは滅菌技師・士単位付与セミナーです。

   長崎中材業務研究会ホームページ
 
イメージ 1
イメージ 2

第26回セミナー メーカーブースにて

 今回のセミナーのメーカーさんブースにてサクラ精機さんが出展されていました。「ハンド・ハイジーン・スキャナー」がとても面白かったようです。
 擦式アルコール製剤による手指消毒の手技の精度が見える器械です。新人教育やスタッフ自身の意識向上につながりそうですね。
 ※詳しくはサクラ精機さんにご確認下さい。
イメージ 1
イメージ 2
イメージ 3

第26回セミナーアンケート集計結果

26回長崎中材業務研究会セミナー(H28,11,26)アンケート集計結果
                   参加人数52名  アンケート回収数49
 
1. あなたの施設のベッド数は?(回答数・%)
①入院ベッド無し6名・12%)  ②19床以下3名・6%)  ③20997名・14%)  
10019911名・23%)  ⑤200床以上19名・39%)  無回答(3名・6)
2. あなたの職種は次のうちどれですか。(滅菌技師の方は⑥にも○をしてください。)
①医師0名・0%)  ②看護師病棟勤務6名・12%)  ➂看護師中材手術室勤務25名・51%)  
④看護助手11名・23%)  ⑤委託業者3名・6%)  ➅その他4名・8%)  
うち滅菌技師 第1種0 第2種10
3. 今回のセミナーは、どのようにしてお知りになりましたか。
セミナーのチラシ29名・59%) ②メーカーから聞いて10名・21%) ③知人から聞いて4名・8%) ④前回セミナーに参加して3名・6%)⑤その他2名・4%)  無回答(1名・2)
 
4. あなたの施設での感染防止対策についてお聞きします。
1) あなたは感染防止のために、十分にやっていることは何ですか?(複数回答可)
①手洗い43名) ②手指消毒45名) ③マスクの活用43名) ④グローブの活用35名)  
⑤エプロンの活用27名) その他(0)
2) 自施設での感染対策は十分であると思われますか?
①十分である6名・12%) ②ある程度は出来ている35名・72%) ③あまり出来ていない4名・8%)
④不十分である1名・2%) 無回答(3名・6)
3) 4-2) の質問に関して、③④と答えた方にお聞きします。なぜそのように思われましたか?(複数回答可)
①感染事故が多いため1名) ②職員の教育不足6名)感染症発生時を見据えた訓練不足5名) 
④感染委員会がない1名) ⑤感染防止対策マニュアルの不足2名) ⑥人材不足3名) 
⑦施設内のラウンドがされていない0名) ⑧感染対策の予算不足2名) ⑨その他0名)                           
4)  4-3)の設問を振り返り(または今日の講義を振り返り)、今後改善したいことがありますか?
・特に吐物の処理が当施設ではいい加減と感じました。職員の意識の低さもあり、ただ「捨てればいい」という考え方は改める必要があると感じました。
・手順、行動を決めるだけではなく、正しい知識を持つ必要性を改めて感じた。
・今年は術後感染が続き対策を考えて機械を買い換えたりしてますが、洗浄の方法などスタッフの教育向上に務めることが必要であることを再度感じました。
・器械の取り扱い方法の改善
・アルコール手指消毒は置いてあるだけでは利用していない。持ち歩くことが良いのかと思いました。
・中材業務の洗浄、滅菌の見直し。
PPE、標準予防策の徹底を常に心がけて行いたい。
・病院の対策はそれなりであるが、個人がきちんとされているかどうか・・・気をつけて行きたいと思いました。
・手袋、エプロンなど使用時の装着手順について社内でも広めたいと思います。
 
5. 今日の講演で役立ったこと、また質問がありましたら、ご記入下さい。
・感染対策、洗浄、滅菌に対する意識の向上、当施設でも「対策が必要」と改めて考えさせられるいい機会になりました。
・実際に現場で実践できる内容があり、とても興味が持てる内容でした。参加して良かった。
・吐物の処理について(2名)
・手術室での感染防止対策について不足していることがあったので、改めてゴーグル着用の必要性など実感しました。
・他施設のSSI対策を聞けて参考になった。
・他機関での感染対策を知るいい機会になった。
・ウイルスや感染対策について良い勉強になりました。
・手術室で手指消毒を個人携帯して行きたいと思いました。
ダンボールは湿気があって不潔。ノロウイルスの恐ろしさ・・・理解できました。
・インフルエンザ、ノロウイルスについて新たな知識を得られました。当院での感染対策に活かしていきたいです。
・新人教育の役に立ちます。手術室の環境を見直すいい機会でした。
・とても盛りだくさんの内容でした。
 
6.  研究会に関するご意見、セミナーに関するご要望などありましたらご記入ください。
・両講義ともとてもためになる内容でした。ありがとうございました。
・外来と手術室、中材で勤務しているため、とても勉強になりました。資料もたくさん準備してもらったので職場で使用したいと思います。
・外来、手術室ですぐ使える内容ですごく良かったです。
・水回りの清掃の方法や、清掃の用具、洗剤の使い方が詳しく知りたいです。
 

第26回長崎中材業務研究会セミナーを開催しました。

第26回長崎中材業務研究会セミナーを開催しました。

 11月28日(土)に第26回中材業務研究会セミナーを開催しました。
内容は、この時期の恒例セミナー化しています、峯先生の「インフル・ノロ対策」、そして木場先生の「中材関連感染対策・手術部位感染対策」でした。資料もカラーで見やすく参加者の方からも好評でした。
 今年は、ノロが大流行しているようですが、インフルも含め峯先生の講演を聞かれた方は、しっかりとした対策ができるようになっていると思います。木場先生の講演は当研究会で、今まで取り上げてこなかった中材関連・手術部位感染対策の話で、その中にはWHOが今年の11月3日に公式サイトで公表したばかりの手術部位感染予防ガイドラインも含まれてあり、とても中身の濃い内容でした。
 
イメージ 1
 

【峯先生からコメント】
 
参加された皆様、貴重なご意見・ご感想ありがとうございました。
アンケートを拝見しまして、ちょうどインフルエンザとノロウイルスが流行する冬目前の時期であった為、皆様の心と環境の準備のために私も少しはお役に立てたのかなと安心しました。冬季のウイルス感染症は流行状況を知ることから始まり、それに罹らないよう備えることが大切です。しっかりと対策していただき、皆様がこの冬を健康に過ごされることを祈念いたします。

イメージ 2

【木場先生からコメント】
参加された皆様のアンケート結果を拝見致しました。講義の内容を、皆様それぞれが、御施設においての役立つ情報としてとらえて頂けたことを知り、少し安心しました。安全な医材の提供は病院感染対策の要だと思います。中材、手術室、病棟での医材の適切な管理が患者さんの回復へとつながります。これからも「専門職」としてのプロ意識を忘れず、また自分自身の健康も損なわないように、感染対策を実践して頂きたいと思います。ありがとうございました。
 
 

第26回長崎中材業務研究会セミナー案内

第26回セミナーのご案内です。

 今回は感染防止対策についての基礎講座です。
 皆様の参加お待ちしております。
  ※このセミナーは滅菌技師・士単位付与セミナーです。
 
 
   長崎中材業務研究会ホームページ
 
 
 
イメージ 1
 

第25回セミナーの意見・質問

第25回セミナーで、いただきました意見・質問をまとめてみました。(大変遅くなりました。)

 
< 第25回セミナーへの意見・感想 >
   現場と病院(トップ)との考え方の違いで出来ない事も多いが、時間をかけて、情報収集して提案して、理解をしてもらう必要をさらに感じた。
    クルム材の導入を検討している。
    真空になるとき、パックが大きく膨らむ動画が見られて良かった。
   布オイフ2枚入れて破袋するので、シーラーを2重にする、容量が67割となるようにパックを大きくしたいと思った。
   トレイに穴があいていないので、蒸気の通り道を作ることを気掛けたい。
   今まで、滅菌時フィルム面を下にしていた。
 
< 滅菌物の保管について >
   滅菌物の保管について、記録をとってもいないし温度や湿度については曖昧にしている。
非常に重要な事であると思います。保管庫がない施設にとっては、夏場や梅雨の時期など温度・湿度の上で問題であると考えられます。
1対策としては、電気代はかかりますが、その時期だけでもエアコンを利用して保管環境の改善をされた方が良いと思います。
 
   手術室で使用する器械は扉付きの収納棚を使用しているが、病棟に払い出すものに関しては衣装ケースを用いたりしている
衣装ケースを利用されている施設も多いようですが、そのケースを置かれている場所や位置などの保管場所の環境が重要だと思います。
 
   滅菌物の保管場所について、滅菌物が大きい場合、所定の保管場所に置けない場合がある。ビニール袋などでカバーをし、展開までに滅菌物に触らないようにしている。
→そのもの自体はバラして滅菌出来ないのでしょうか。出来ないのであれば、なるべく清潔な場所で、保管する場所を考えたいところです。
 
< グループワーク内での意見交換 >
   期限切れのチェックについて。再滅菌にかかるコストと手間がかかる。
⇒在庫数が合っていないのではないか?緊急性がない物品については未滅菌のままで保管しておいて良いのではないか?
→そのとおりだと思います。常時滅菌するのではなく、再滅菌するものを選んだほうが、無駄なコストはかからないし、効率も良いと思います。
 
   手術室・中材兼務での新人研修をどうしているか?
⇒中材で基本を学んでから手術室勤務をするようにしている。
 
< 質問 >
   CIタイプ45などの条件は各メーカーで決めているのか?

タイプ4,5,6(条件検知インジケータ)の変色条件(SV)は、各メーカーがISOでの基準を元に、決めるものになります(現場で実際に使用されている滅菌条件を考慮し、設計されるケースが多いかと思われます)。
 ・・・日油技研工業 唐渡遼先生からのコメントです。

   CIタイプ5はどんな時に使うのか?BIは結果が出るのに時間がかかるのでその代用として使ってもいいのか?

タイプ5の特徴は、インテグレーティング・インジケータと呼ばれるように、BIと同様に、滅菌時の温度・時間の積算に反応して変色するインジケータになります。只、その変色条件(温度、時間)は、タイプ46と同様に、各製造元が決めるもので、“BIの代わり”として扱うのは難しいかと思われます。BIは、細菌の死滅状態を直接確認することができます。一方、CIは、滅菌温度や時間、蒸気の有無等の重要な条件を検知し、間接的に滅菌状態を確認するものになります。滅菌保証ガイドラインでも推奨されておりますが、両方を適宜、活用することで、より確かな滅菌保証につなげることができると考えます。
 ・・・日油技研工業 唐渡遼先生からのコメントです。
 
   管腔器材の滅菌保証、チェックについて、簡易的にできる方法はないか?

→器械洗浄の確認を直接・間接判定法で実施。その後、CIBIによる滅菌保証実施。さらに、PCDを取り入れることが良いと思われます。
 
   トレイのみを滅菌したい場合は滅菌バックよりラップ材を使用した方が良いのではないか?
⇒同席したメーカーより回答…ラップ材だと全面から滅菌剤が浸透するので、この場合はラップ材の方が良い。
 
   滅菌物によってACの温度を変えているか?
135℃:鋼製小物
120℃:脳外機器(マイクロ)・鏡視下器械(カメラ等) 

ACの工程は基本変える必要はないと思います。しかし、機器や器材のメーカーより滅菌工程を指定された場合はそれに準じた方法を選んで下さい。
また、脳外の手術器械は、CJD対策(プリオン感染性不活化のための推奨される処理)が必要です。
 
・高温で滅菌すると刃物の切れ味は悪くなるか?

刃物の切れ味が鈍化すると言われています。AC滅菌を繰り返すことによって腐食したり、表面にシミ・錆が付着することも考えられます。定期的に研磨などのメンテナンスが必要だと思います。
 
・ 高温で滅菌すると器械への負担が大きくなる?故障につながるか?

眼科用、歯科用などマイクロなどの器械・非常にデリケートな構造をした器械(カメラ関係など)は、オートクレーブ対応であっても、器械への負担はあると思われます。施設内で器材・機械数の余裕があれば低温滅菌処理を選択されても良いかと思います。
 
・ 布をハリヤード製のクルム材で包み滅菌していますが、横置きに重ねたほうがいいのか、縦に並べたほうがいいのか?

蒸気の性質上、非滅菌物同士の密着面が少ない方が非滅菌物に蒸気がたくさんあたるので、積み重ねず斜め又は縦に並べた方が良いです。また、傾斜をつけることでドレーンが貯留せず乾燥しやすくなります。
 
・ AC非対応の器材をかけてしまい、壊してしまった。滅菌をする前の確認方法は?

→購入時、必ずメーカーへ洗浄方法・滅菌方法を確認する。各スタッフへの周知徹底、意識づけ。そのための工夫をしないといけないと思います。
 
・ 滅菌バックの破袋がありました。何が原因でおきますか?

→シール強度不足。被滅菌物種類。サイズ・容量オーバー。ACに対する過積載。滅菌バックの通気性不足・耐水性不足。などが考えられます。
 
・ 滅菌済の袋を見たら、錆が出ていて再滅菌しました。錆の対応は?

→パック内の鋼製小物をチェックしサビを除去した上で再滅菌する。その原因をきちんと見極め、サビ除去困難な場合は、そのもの自体は再滅菌・再使用はしない。また洗浄不足も考えらます。錆取り・滅菌方法の選択の考慮も必要かと思います。