長崎中材業務研究会

『 中材業務における質の向上と日常での不安や疑問点の解決の場所を提供する 』をもとに、セミナーを通じて皆さんと学び、意見・情報交換を行いたいと思っています。

第25回セミナーの意見・質問

第25回セミナーで、いただきました意見・質問をまとめてみました。(大変遅くなりました。)

 
< 第25回セミナーへの意見・感想 >
   現場と病院(トップ)との考え方の違いで出来ない事も多いが、時間をかけて、情報収集して提案して、理解をしてもらう必要をさらに感じた。
    クルム材の導入を検討している。
    真空になるとき、パックが大きく膨らむ動画が見られて良かった。
   布オイフ2枚入れて破袋するので、シーラーを2重にする、容量が67割となるようにパックを大きくしたいと思った。
   トレイに穴があいていないので、蒸気の通り道を作ることを気掛けたい。
   今まで、滅菌時フィルム面を下にしていた。
 
< 滅菌物の保管について >
   滅菌物の保管について、記録をとってもいないし温度や湿度については曖昧にしている。
非常に重要な事であると思います。保管庫がない施設にとっては、夏場や梅雨の時期など温度・湿度の上で問題であると考えられます。
1対策としては、電気代はかかりますが、その時期だけでもエアコンを利用して保管環境の改善をされた方が良いと思います。
 
   手術室で使用する器械は扉付きの収納棚を使用しているが、病棟に払い出すものに関しては衣装ケースを用いたりしている
衣装ケースを利用されている施設も多いようですが、そのケースを置かれている場所や位置などの保管場所の環境が重要だと思います。
 
   滅菌物の保管場所について、滅菌物が大きい場合、所定の保管場所に置けない場合がある。ビニール袋などでカバーをし、展開までに滅菌物に触らないようにしている。
→そのもの自体はバラして滅菌出来ないのでしょうか。出来ないのであれば、なるべく清潔な場所で、保管する場所を考えたいところです。
 
< グループワーク内での意見交換 >
   期限切れのチェックについて。再滅菌にかかるコストと手間がかかる。
⇒在庫数が合っていないのではないか?緊急性がない物品については未滅菌のままで保管しておいて良いのではないか?
→そのとおりだと思います。常時滅菌するのではなく、再滅菌するものを選んだほうが、無駄なコストはかからないし、効率も良いと思います。
 
   手術室・中材兼務での新人研修をどうしているか?
⇒中材で基本を学んでから手術室勤務をするようにしている。
 
< 質問 >
   CIタイプ45などの条件は各メーカーで決めているのか?

タイプ4,5,6(条件検知インジケータ)の変色条件(SV)は、各メーカーがISOでの基準を元に、決めるものになります(現場で実際に使用されている滅菌条件を考慮し、設計されるケースが多いかと思われます)。
 ・・・日油技研工業 唐渡遼先生からのコメントです。

   CIタイプ5はどんな時に使うのか?BIは結果が出るのに時間がかかるのでその代用として使ってもいいのか?

タイプ5の特徴は、インテグレーティング・インジケータと呼ばれるように、BIと同様に、滅菌時の温度・時間の積算に反応して変色するインジケータになります。只、その変色条件(温度、時間)は、タイプ46と同様に、各製造元が決めるもので、“BIの代わり”として扱うのは難しいかと思われます。BIは、細菌の死滅状態を直接確認することができます。一方、CIは、滅菌温度や時間、蒸気の有無等の重要な条件を検知し、間接的に滅菌状態を確認するものになります。滅菌保証ガイドラインでも推奨されておりますが、両方を適宜、活用することで、より確かな滅菌保証につなげることができると考えます。
 ・・・日油技研工業 唐渡遼先生からのコメントです。
 
   管腔器材の滅菌保証、チェックについて、簡易的にできる方法はないか?

→器械洗浄の確認を直接・間接判定法で実施。その後、CIBIによる滅菌保証実施。さらに、PCDを取り入れることが良いと思われます。
 
   トレイのみを滅菌したい場合は滅菌バックよりラップ材を使用した方が良いのではないか?
⇒同席したメーカーより回答…ラップ材だと全面から滅菌剤が浸透するので、この場合はラップ材の方が良い。
 
   滅菌物によってACの温度を変えているか?
135℃:鋼製小物
120℃:脳外機器(マイクロ)・鏡視下器械(カメラ等) 

ACの工程は基本変える必要はないと思います。しかし、機器や器材のメーカーより滅菌工程を指定された場合はそれに準じた方法を選んで下さい。
また、脳外の手術器械は、CJD対策(プリオン感染性不活化のための推奨される処理)が必要です。
 
・高温で滅菌すると刃物の切れ味は悪くなるか?

刃物の切れ味が鈍化すると言われています。AC滅菌を繰り返すことによって腐食したり、表面にシミ・錆が付着することも考えられます。定期的に研磨などのメンテナンスが必要だと思います。
 
・ 高温で滅菌すると器械への負担が大きくなる?故障につながるか?

眼科用、歯科用などマイクロなどの器械・非常にデリケートな構造をした器械(カメラ関係など)は、オートクレーブ対応であっても、器械への負担はあると思われます。施設内で器材・機械数の余裕があれば低温滅菌処理を選択されても良いかと思います。
 
・ 布をハリヤード製のクルム材で包み滅菌していますが、横置きに重ねたほうがいいのか、縦に並べたほうがいいのか?

蒸気の性質上、非滅菌物同士の密着面が少ない方が非滅菌物に蒸気がたくさんあたるので、積み重ねず斜め又は縦に並べた方が良いです。また、傾斜をつけることでドレーンが貯留せず乾燥しやすくなります。
 
・ AC非対応の器材をかけてしまい、壊してしまった。滅菌をする前の確認方法は?

→購入時、必ずメーカーへ洗浄方法・滅菌方法を確認する。各スタッフへの周知徹底、意識づけ。そのための工夫をしないといけないと思います。
 
・ 滅菌バックの破袋がありました。何が原因でおきますか?

→シール強度不足。被滅菌物種類。サイズ・容量オーバー。ACに対する過積載。滅菌バックの通気性不足・耐水性不足。などが考えられます。
 
・ 滅菌済の袋を見たら、錆が出ていて再滅菌しました。錆の対応は?

→パック内の鋼製小物をチェックしサビを除去した上で再滅菌する。その原因をきちんと見極め、サビ除去困難な場合は、そのもの自体は再滅菌・再使用はしない。また洗浄不足も考えらます。錆取り・滅菌方法の選択の考慮も必要かと思います。