長崎中材業務研究会

『 中材業務における質の向上と日常での不安や疑問点の解決の場所を提供する 』をもとに、セミナーを通じて皆さんと学び、意見・情報交換を行いたいと思っています。

第14回 長崎県南中材業務研究会セミナーディスカッション内容

第14回 長崎県南中材業務研究会セミナーディスカッション内容

Q.1 シンクが2つある場合、手洗いと器械洗浄で使用するシンクを分けた方が良いですか?
 
A.1 可能であれば分けた方が良いと思います。具体的な研究データや論文はありませんが、同じシンクを使用した場合、水の跳ね返りによって手や器械の菌が再付着する可能性がありますので、使用目的や消毒方法によってシンクを分けた方が良いと考えます。
また、手洗い専用のシンクを決め環境を整えること(自動水洗にする等)で、スタッフ間での手洗い意識が高まり遵守率が向上するなどの副次的な効果も期待できると思います。
 
・研究や論文など具体的なデータはない
・跳ね返りで菌が再付着する可能性がある
・手指と器械の菌が交差しないほうが良い、消毒方法?
・シンクは最低1日1回、洗浄・乾燥させた方が良い
・シンクの1つを手洗い専用とし、自動で水が出るような機能をつけるなど、手洗い環境
・を整えることで遵守率を上げるといった副次的な効果も期待できる
 
 
Q.2 手指消毒に関して、手荒れやアルコールに弱いスタッフへの対応はどうされていますか?
 
A.2 アルコールに弱い場合は、メーカーからサンプルを取り寄せて自分に合ったものを見つけられるのが一番良いと思います。バリア機能のついた擦式消毒剤もありますので、手の荒れやすい方は検討されてはいかがでしょうか。
また「業務中は出来る限り手袋を使用する」「ハンドソープでの洗浄後に綿の手袋をつけ手術手袋の順に装着し手術についているスタッフがいます」など参加施設さんからもアドバイスを頂きました。
 
病院:手荒れのひどい方は、手袋を常時着用した状態で業務を行っています。
B病院:各メーカーからサンプルを取り寄せて、個人にあったものを別途用意しています。
C病院:手術室のスタッフで、ハンドソープで洗浄後に綿手袋→手術手袋の順に装着し対応しているスタッフがいます。
 
Q.3携帯用の擦式消毒剤を使用している病院がありますか?
 
A.3 参加施設の中では利用率は高くありませんでしたが、利用している施設から「使用量ランキングをスタッフへ開示したら、みんな積極的に消毒を行うようになった。使用量の多いスタッフも評価され好評だった。」という意見がありました。
  ランキングをしないまでも、ハンドソープや擦式消毒剤の使用量を計測し各部署へフィードバックすることで、手指衛生に対しての意識向上に繋がり、指導も行えるようになりますので、使用量の統計をとられていない施設
  はやってみてはいかがでしょうか。
 
 
A病院:携帯用は各個人で使用しますので、使用量でランキングを出しています。
    とても好評で、みんな積極的に使用するようになりました。
B病院:ランキングまで出さなくても、使用量をスタッフへ開示することで、意識向上に繋がると思います。
C病院:アルコールだけではなく、ハンドソープなどの手指洗剤をチェックすることで、
    流水下での手洗いと擦式消毒の比率をみることができ、各部署の傾向などがわかるので必要であれば指導を行うことができます。
 
 
※アルコール濃度が低い擦式消毒剤を使用している施設があるようですが、手洗いを十分に行っている人がアルコール濃度の低い擦式消毒剤を使用しても効果は見込めるが、手洗いが不十分な場合は効果が見込めない。しかし、高濃度のアルコール擦式消毒剤は使用者を選ばないので施設全体での十分な効果が期待できます。