長崎中材業務研究会

『 中材業務における質の向上と日常での不安や疑問点の解決の場所を提供する 』をもとに、セミナーを通じて皆さんと学び、意見・情報交換を行いたいと思っています。

第15回 長崎県南中材業務研究会 質疑応答まとめ

15 長崎県南中材業務研究会 質疑応答まとめ
 
 
Q1.講義の中で「ブルドック鉗子、丸ノミ鉗子(リュウエル)など、クリップ状の器具は接触する面に汚れが残存しやすくなるため、物を挟んで接触部を開放した状態で洗浄して下さい」とのことですが、物を挟んだ場所が結局は接触し、汚れ落ちが悪くなるように思うのですが…。
 
A.ウォッシャーディスインフェクターや浸漬洗浄する場合など、そのまま閉じた状態で洗浄するよりも水流や洗剤が接触する面積が広くなるので、 “完全に閉じきるより開いた方が良い”という考え方で推奨しています。
刃先や物を挟む場所を先に洗浄しておくと、より効果的だと思います。
 
Q2.うちの施設では濡れた器械の拭き取りにタオルを使用しているのですが、問題はないでしょうか?
 
A.    タオルを濡れた状態で使い回すと、菌が再付着する可能性があります。タオルを多く準備し、使い回さない・しっかりと乾燥させた状態で使用する、を守って頂ければ問題ないと思います。タオルから繊維埃(ホコリ)が出る場合は素材にも注意して下さい。
 
Q3.吸引嘴管など内腔のある器械の洗浄は、各施設ではどのようにしていますか?
 
A1.恒温槽を導入し、内腔もしっかり水が通るように工夫した。洗浄を繰り返すことで、汚れがこびりついた古い嘴管もアミドブラックテストで良い結果が得られるようになった。
※5年・10年かけてついた頑固な汚れは、時間をかけてあきらめずに汚れがより落とせる工程を各施設で見つけて下さい。
 
A2.病棟で使用したものなど、使用から洗浄までに時間がかかるものは血液が凝固し汚れが落ちにくくなるため、
中空の器械などは目詰まりしているものも多い。本洗浄前にウォーターガンを用いて勢い良く水を通したり、恒温槽の時間を延長するなどして対応しています。洗浄後はアミドブラックやクーマシーテストを用いて評価を行い、各施設に合った方法を検討されると良いと思います。
 
Q4.本洗浄までに時間が空く場合、血液など目視できる汚れは予備洗浄で対応できますが、髄液など目立たない汚れに関してはどのように対応すれば良いでしょうか?
 
A.本洗浄まで時間が空く場合は、目視できる汚れの有無に関わらず“全ての器械に予備洗浄を行う”のが唯一の対応策だと思います。
 
まとめ:汚染物の洗浄は汚れが目に見えるところ・見えないところがありますが、クーマシー試験や3Mさんが今回ブースに展示されていたATPモニタリングなど用いて汚れを数値化し対策を取られることを推奨します。用手洗浄・浸漬洗浄の特徴や注意点を理解し効果的な処理を行って下さい。
※クーマシー試験は今回の講師の小島先生や洗浄剤メーカーに相談して下さい。